1.飼養施設、用具及び環境
(1)飼養施設、用具
○犬舎、首輪、リード、食器、水入れ、寝床、トイレ、ブラシ、遊び道具など |
(2)清掃等
○トイレの清掃は1日1回以上、犬舎や食器の清掃は汚れの程度を見ながら必要に応じて実施 |
(3)環境
○屋外で飼う場合:1.南向きで風通しのよい場所を選ぶ、2.迷惑・危害防止等のため、できるだけ家族のいる近くに置き、道路側等外来者の出入の多い場所は避ける、 3.強い日差しやノミ・蚊から守る、4.鎖につなぐ場合でもなるべく動きを制限しないよう工夫する、5.犬舎の周囲は清潔に保つ、6.鳴き声やふん尿により迷惑をかけない場所を選ぶ ○屋内で飼う場合:1.危険物や毒になるものの管理をしっかりする(また、室内での排便・排尿のしつけをするとともに、できる限り不妊・去勢手術を行うことにも留意) |
○ドッグフード(総合栄養食)や自家製の犬専用の食事(必要な栄養が人とは異なるので注意が必要) |
○1日2回(幼齢時は3~4回)。量は、体重あたりの量を基本にして、犬の体重の変化や体の調子、便の状態などを見ながら調整 |
1.人の食べ物は欲しがっても与えないこと。犬と人とは体のつくりや必要な栄養バランスが違うので、病気の元となるとともに、しつけの上でもよくない。 2.食事は時間を決めて与え、残したときはすぐに片付けること。食べ残しを放置すると腐敗し、衛生上よくないとともに、いつでも好きなときに食べられる状況はしつけの上でよくない。 3.魚の骨や鳥の骨、チョコレート、タマネギ、ネギ類は与えないこと。 魚や鳥の骨は腸を傷つけることがあり、タマネギやネギ類は、死に至る重症の貧血を起こすことがある。また牛乳は下痢をすることがある。 |
1.犬が健康に過ごすためには毎日の散歩が必要。飼い主のライフスタイスに合わせて、一定の時間帯に散歩をする。 ただし、犬は汗をかけず、焼けた路面で火傷をする場合もあるので、夏場の暑い時間は避けること。 2.必要な運動量は、品種、年齢などによって異なる。大まかな目安として、小型犬で朝夕10~20分、中型犬で朝夕20~30分、大型犬で朝夕30~40分。 なお、子犬や老犬には無理をさせないこと。 3.散歩の時は必ずリードにつなぎ、ふん処理の道具を携行して持ちかえること。排せつを済ませてから散歩に出るような配慮も必要。 |
1.基本は、人が常にリーダーシップをとって犬の行動をコントロールすること。 そのためには、犬に主従関係をしっかり認識させ、理想的には犬は家族の最下位に位置するよう接すれば、家族の要求に従う犬に育つ。 2.基本的な号令には、オスワリ、フセ、マテ、オイデ、ツケなどがある。 |
1.ブラッシング:汚れや抜け毛を取り除き、つやのある毛にすると同時に、皮膚の血行をよくする。 運動の後に、まず毛並みに逆らってブラシをかけて汚れを浮かし、次に毛並みにそってブラッシングしてやる。 特に、毛の抜け替わる時期には、たんねんなブラッシングが必要。長い毛の犬はブラッシングを怠ると、毛玉ができて手がつけられなくなってしまう。
また品種によっては定期的なカットが必要。 2.シャンプー:回数は飼う場所や毛の長さなどによって異なる。一般的には1ヶ月に1回程度。 3.つめ切り:室内飼いの小型犬はもとより、十分に散歩をしている犬でも親指のつめは地面につかないので伸びてしまう。 伸びすぎたつめを放置すると、毛布などにからまり、つめを折ったりはがしたりすることがある。 4.耳の手入れ:耳の中のチェックが時々必要。健康な犬では、耳垢はわずかでほとんど臭わない。 臭いがきつかったり黒い耳垢がたまっている時は、獣医師に相談が必要。綿棒などでのふき取りは、耳の粘膜を傷つけ、汚れを押し込むことになるのでよくない。 5.歯の手入れ:犬用の歯ブラシや、ガーゼを巻いた指で歯と歯茎をこすってやる。 奥歯の外側が、歯石のつきやすい場所。歯石を放置しておくと歯肉炎、歯槽膿漏と病気が進行する。歯が悪いと口臭がきついばかりでなく、心臓や腎臓などの病気の原因になるおそれが高くなる。 |
1.腸管内寄生中症(回虫、鉤虫、条虫など):下痢や食欲不振などが主な症状。放っておくと死亡することもある。 多くは便の虫卵検査で診断。寄生虫の種類に応じた駆虫薬の投与により駆虫できる。 2.パルボウイルス感染症:おう吐、下痢が主な症状。子犬では発病してから1~2日のうちに死亡。予防ワクチンがあるので、生後2~3ヶ月になったら接種する。 3.犬フィラリア症:そうめん状の細い虫が心臓や肺動脈の中に寄生する病気。蚊に刺されることで感染。 寄生数が多いと心臓の機能に障害を与え、放っておくと心不全で死亡することもある。 |
1.狂犬病:感染した犬などの動物に噛まれてうつる恐ろしい病気。温血動物は全て感染する。現代でも治療法はなく、人も動物も発症すると100%死亡。 日本では昭和32年以降流行はないが、世界では現在でもほとんどの国(地域)で発生し、年間3万人以上の人が死亡。 2.皮膚糸状菌症、かいせん症、白癬菌症:糸状菌(カビの仲間)やかいせん(ダニの一種)による皮膚病は、人にもうつることがある。 また、人の水虫(白癬菌症)は人から犬にうつることがある。 3.エキノコックス症(多包状虫):本来、キツネとノネズミの間で感染している寄生虫病。犬はノネズミを食べることで感染、ほとんど症状を示さない。 虫卵が人の口に入ると、子虫が肝臓などに寄生して、長い年月の後に肝障害などの症状を起こす。 流行地は北海道なので、犬をつれて旅行する時は、犬がノネズミなどを食べないように気をつけることが必要。犬に寄生したエキノコックスは薬で駆除できる。 |
○子犬の時に親兄弟と過ごした経験は大切であることから、子犬を親兄弟とは別に飼う場合は、ある程度大きくなってから(社会化期が過ぎてから)が望ましいといわれています。 ○個体識別と終生飼養:マイクロチップ等による個体識別措置による所有者の明示と終生飼養は、飼い主の愛情と責任のあかしです。 ○本文は必要最小限のことについて記載したものです。飼養保管方法の詳細については、専門の飼育書等をご参照下さいますようお願いします。 |
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